と誰かから聞き、美樹さんは長いダウンコートを購入し準備万端であったが
なんと、ぬくい。
昨年の今頃は毎朝ミニクーパーの窓ガラスの氷かきから一日が始まったことを思うと
このぬくさは意外だ。
昨年、初の渡英前日になんとパスポートの期限切れが発覚するというウルトラCを見せてくれた我が友小渕健太郎君が
UGGとパタゴニアのほとんど雪山装備のような完全防寒仕様で無事に我が家を訪れたものの
ハロッズで半袖短パンの部屋着を大量購入することになるとは予想もしなかっただろう。
コブちゃんの約2週間の滞在は、公園での凧上げ、レミゼラブル観劇、ルーリーのお散歩係、リバプールへの一人旅、サビルロウでスーツ購入、ハロッズのオイスターバーでシャンパン、美術館巡り、僕と娘との3人テニス、そしてなんと僕のローディーとしてレコーディングに参加してくれたり、最終日のディナーは宮崎名物の美味しいチキン南蛮を振る舞ってくれるなど、実に盛り沢山の毎日であった。
彼のブログではロンドン滞在記が写真と共に綴られているようだからファンの皆さんはその充実振りをすでにご存知であろう。
二人でオイスターカードいうPASMOのようなカードでバスと地下鉄を乗り継ぎ、雨が降れば一つの傘を分かち合い、セルフタイマーでパチりと記念写真を撮り、古いパブでビールとビネガー風味のポテトチップスを頬張り、英国紳士の粋な着こなしにため息をつく。
ほんのに甘いカプチーノで温まったら、また雨の街に歩き出す。
「ロンドン、いいあなぁ!」
と彼が笑うたびに、
「ロンドン、いいでしょ?」
と嬉しい僕。
我が家の3階の小さなゲストルームから見るロンドンの景色は、彼の心にどんな色彩を放っただろう。
また来てね、わが町へ。
ロンドンはいつでも君を待ってる。