14歳でロックと出会いギターに恋をしてから長い長い年月が過ぎた。
仲間との運命的な出会いから始まったバンドが今でも自分のミュージシャンとしての原点だと思っている。
バンド解散後組んだユニットはバンドサウンドから一転し、当時最先端だったテクノロジーを駆使した実験的なPOPの形を提示できたと思う。
それも吉川くんとの出会いがあったからこその冒険だった。
ソロになってからも様々なミュージシャンやクリエイターと出会い、音楽はもちろんのこと映画や広告など様々なフィールドでかけがえのない経験と挑戦をさせてもらった。
そんな僕は来年アーチスト活動30周年を迎える。
10代から始まり、まさに全力疾走で全国を駆け巡った20代、
ギタリズムというコンセプトのもと世界中のミュージシャンと交流を広げ、旅に明け暮れた30代、
ようやくギターの、そして音楽の本質が見えてきたような気がする40代...。
そんな中
「布袋の40代最後の誕生日を武道館で祝おう!」
と提案してくれたのは、布袋寅泰のキャリアの20数年をサポートし続けてくれたIRc2の社長をはじめとする家族のようなスタッフ達だった。
自分の人生のすべては多くの方々との出会いによって満たされている。
誰よりも、長きに渡り『布袋寅泰』を応援してくれたファンの皆さんには心の底から感謝している。
僕の試行錯誤を受け入れ、励まし、絶えず声援を送ってくれたことでどんなに支えられたか計り知れない。
あの日の少年少女たちも今では父母となっていたり、それぞれの仕事や環境の中で成功や挫折を繰り返しながらも、
『自分らしくありたい』と今も静かに戦い続けている。
30周年はそんな皆さんへの感謝の年にしたい。
そして自分に出来るのは『魂で音を奏でること』のみ。
2011年2月1日、日本武道館は原点に戻ってステージに立ちたいと思う。
今一度、自分の辿ってきた忘れがたき道のりと向き合い、2012年に迎える『50代』を新しい気持ちで迎えられたら最高だ、と考えている。
ギターキッズも元ギターキッズだったオヤジさんも、ママも妹たちも、社長さんも部長さんも不況に喘ぐ働く人たちも、
コンサート未経験の人もコンサートに出かける機会も減ってきた人たちも、病いと戦っている戦士も、
武道館で一緒に少年少女に戻りましょう。
そしてもう一度、一緒に夢をみましょう。
いや、夢を叶えましょう!