BEAT主義日記 the principle of beat hotei official blog

  • babylon standard
  • my space
  • hotei mobile
  • beat crazy
  • the principle of beat
2010年7月24日

* 観劇。金縛り。

野田秀樹さん作演出によるNODA MAP公演
「ザ・キャラクター」を観た。

怖るべし、野田秀樹。
怖るべし、宮沢りえ。
怖るべし、野田組!

膨大な量の言葉が役者たちの魂をまとって、舞台から客席に津波のように押し寄せてくる。
捩れた物語が時空を歪ませ、観客を強引に迷宮へ引きずりこむ。
観客は竜巻のような大きなうねりに身を任せるしかない。

最後のセリフが終わり暗転となる。
再び舞台が明るくなり、宮沢りえさんのシリアスな表情が浮かび上がる。
長距離ランナーのゴールのような瞬間。
燃え尽きた者だけに与えられる気高く美しく静かな微笑みは、勝者の威厳をも兼ね備えている。
あまりの衝撃と感動に、しばらく身動きができないほどだった。

終演後楽屋に御挨拶に伺うつもりだったが、
「私、今、りえちゃんに会えない...」と美樹さん。
その気持ちは自分も同じだった。
「お疲れさまでした!素晴らしかったです!」
というありきたりな言葉でこの感動を汚したくなかった。
素晴らしい芸術に触れた時、人は無口になる。
心、意識、脳内に広がる、美しく、時に恐ろしい残像に羽交い締めされ言葉を奪われる。
平常に戻るにはしばし時間が必要だ。

この舞台を創造した野田さんをはじめ、この舞台に関わった全ての人々を
心から尊敬します。
究極の表現を目の当たりにし、倒れそうになりました。
媚びないエンターテインメントは、紛れもなくロックでした。

チャンスがあれば、是非ご覧になることをお勧めします。

cara.jpg

気づいたこと。

舞台は絵画だ。

音楽は旅だ。