今日は五輪中継に釘付けでした。
高橋大輔さん、織田信成さん、そして小塚崇彦さん!
本当に素晴らしいパフォーマンスでした。
心から感動しました。おめでとう!!!
小塚くんがフリーで使ってくれた『ギター・コンチェルト』は自分にとって思い出の曲です。
オーケストラとギター。
自分にとって、初めての挑戦でした。
レコーディングはロンドンで行われました。
重厚かつ壮大なオーケストラと向き合い、緻密なアレンジを壊すことなく、またその音圧にのまれることなく、
いかに自分のギターを奏でるか。
一音一音が甘美なスリルに満ちあふれ、震えるような瞬間の連続でした。
緊張感に満ちた「第一楽章」が終盤にさしかかると、作者のマイケル・ケイメン氏が顔を高揚させ指揮棒を振り上げ、ギターを弾いている俺に向かって
『カデンツァ! 』
と大声で叫びました。
その言葉の意味は知らなかったけど、俺には彼が
『もっと行け!自分の信じる音を魂でかき鳴らしてくれ!』
と叫んでいるように聞こえました。
その言葉に応えるように無我夢中で吠えるようにオーケストラに向かってギターをかき鳴らしました。
最後の音が消えると、マイケルは笑顔で俺に拍手を送ってくれました。
そして2010年。
4回転を見事に成功させ、なおも華麗に氷上を舞う彼の姿を画面で追いながら、自分はあの曲が生まれた瞬間を思い起こしていました。
その時の記憶と目の前で繰り広げられている映像がオーバーラップするような不思議な感覚に包まれます。
オーケストラと指揮者とギタリストだけではなく、フィギュアスケーターの彼もまたコンチェルトを奏でているのです。
舞うように奏で、奏でるように舞う。
『ギターコンチェルト』に合わせて彼が踊っているのではなく、彼に合わせて我々がコンチェルトを奏でている。
音楽が生き物のように呼吸し、風を切り、駆け抜けてゆく。
演技もクライマックスに近づき、最後の息をのむようなロング・スピンが始まったその瞬間。
『カデンツァ! 』
天国からマイケルの声が聞こえたような気がして、涙がこぼれました。
小塚くんは採点を待つ間、『ROCK A GO! GO! TOUR』の市松模様のタオルを握りしめていてくれました。
ツアーの初日に名古屋でお渡ししたものです。
「布袋さん!僕も頑張りましたよ!布袋さんも頑張ってください!」
とメッセージを送ってくれているようで、嬉しかった。
『ギターコンチェルト』に、またひとつ大切な思い出が増えました。
マイケルの家族も、きっと世界のどこかで、小塚くんの華麗なる挑戦を見つめていたと思います。
ありがとう。
小塚くん。
そしておめでとう!