タヒチは雨期。
重々しい暗い雲と横殴りの雨が続く。
雨ばかりの島なんて、昔なら興醒めだったはずだけど
ところがどうしてこれが意外と悪くない。
雨雲の去った後に広がる晴れ間がまた心地よい。
灼熱のISLANDより、大人びてSEXYだ。
高知訪問以来、急に身近に感じられた坂本龍馬。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を持ってきたが、この青い海には似合わず。
ヘミングウェイの「老人と海」を読んでいる。
こちらも昔何度となく読んだ記憶があるものの、今読むとその静かで重厚な文章に改めて心揺さぶられる。
海は広く、どの海も世界に繋がっているが、違う心で見つめると物語が変わる。
ライカのM8は旅には欠かせない。
小さなライカD-LUX 3と水中で動画も撮れるXACTIも持ち歩く。
島ではシャッター・チャンスの連続だ。
浅瀬の海を小さな離島まで歩く。
海鳥が仲良く並んで風を待っている。
その日の夜、ファイルをPCに移しながら、できたての思い出を一コマずつ振り返るのもよい。
以前はTシャツと短パンが島で過ごす為のファッションだったが今回はスーツも持ってきている。
といってもタイまでしめるフォーマル・スタイルではないが、
ジャケットを羽織るだけでサンセットを眺める気分も変わるものだ。
昼間はプールサイドでローカル・ビールの「TAHITI BEER」を。
夜はデッキで「HAVANA CLUB」のロックと葉巻を。
波の音に揺られて静かに眠ることの幸せよ。