渡辺貞夫さんのライブを観にブルーノート東京へ。
貞夫さんの新作『INTO TOMORROW』へのコメントを書かせて頂いたのだが、
後日、御丁寧にも直筆でのお礼のお葉書をいただいた。
黒人と白人の子供がじゃれあうようにピュアな笑顔を交わす写真。
貞夫さんの世界の子供達に対する深い愛情が伝わってくる、素敵な絵はがきだ。
やはり手書きの便りは電話やメールやファックスの何倍も「気持ちと気持ちが近づくなぁ」と思う。
万年筆をもっと使わなくちゃいけない。
貞夫さんはグレーのスーツに落ち着いたタイを結び、さりげなくショッキング・ピンクのチーフを胸のポケットにのぞかせて登場!
ニューヨークの若きジャズメンたちの溌剌としたバッキングにのせて奏でる貞夫さんのサックスは、サバンナの風ように自由だ。
24歳のピアノとべース、32歳のドラムス。
素晴らしいの一言。
ラスタヘアーを後ろでくるりと結んで、白のシャツに黒のベスト、さりげなく結んだ蝶ネクタイがとってもお洒落なピアニスト。
とても美しい青年だ。
卓越したテクニックをひけらかすことなく、黙々と奏でるクールなジャズは最高にカッコいい。
最後の曲が終わり、ブルーノートのシェフのバースデーを祝って「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」が奏でられる。
思いがけない演出にシェフも本当に嬉しそう!
素晴らしいスタッフがいて、またステージは輝く。
そして貞夫さんが
「今夜は皆さんよく御存知のミュージシャンが会場にいらしています。ミスター・リー・リトナー!」
とリー・リトナー氏を紹介。会場が明るくなり、温かな拍手が送られる。
「もう一人ギタリストが来ているんです。布袋くん、どこにいるかな?」
と自分も紹介され、立ち上がって会場の皆さんに御挨拶させていただいた。
終演後、リー・リトナー氏と初対面。自己紹介をする前に
「布袋さん!いつか会いたいと思っていましたよ!」
と、光栄なお言葉をいただく。
中学、高校の頃、世はクロスオーバーブームで、例にもれず自分も彼のギターをコピーしたものだ。
キャプテン・カリブ、ジェントル・ソウツ...、ああ、懐かしい!
ひとしきりギター話で盛り上がり、揃って楽屋に御挨拶にうかがう。
6時開演だった一回目のステージ、
「まだ夜には遠くて充分にドライブ出来なかったよ」
と、若々しく、溌剌とした笑顔でおっしゃる貞夫さん。
会う度に「なんと素敵な方だろう!」と思う。
人生を音と共に世界を旅して過ごされた真のグローバル人としての風格と、少年のような笑顔をひとときも忘れないジェントルマン。
彼のような大人になりたい、と思う。
大切な写真がまた一枚増えた。