BEAT主義日記 the principle of beat hotei official blog

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2009年1月アーカイブ

2009年1月27日

* 大阪⇔東京

大口広司さんがお亡くなりになった。
58歳。
早すぎる死。
とても素敵な先輩だった。
ご冥福をお祈りいたします。


昨日は大阪でディーラー・コンベンション。
CDショップ、及び媒体の方々をお招きして、ギタリズムVの試聴、及び何名かの質問に答える。
今やダウンロードが主流の世の中。
視聴もできるし、ダウンロードした音楽を様々なメディアで再生、持ち運びも出来る。
ワールドワイドな配信、パッケージレス故の低価格等、利点を挙げればきりがない。
アナログからCDへ移行したときも賛否両論交わされたが、デジタル配信に関しても同様に様々な意見がある。
否定するつもりは毛頭なく、実際自分も利用しているので、その良さも知っている。
が、やはりどこか味気ない。
やはりどんなに小さくても形あるもののほうが、愛着がわくような気がする。
アナログ世代はジャケットのアートワークも恋しい。
自分の部屋に好きなアルバムをディスプレイしたりしたもんだ。
それは自分の趣味趣向を通じての、小さな自己表現でもあったような気がする。
中学生の頃、高崎では「名曲堂」と「新星堂」というレコードショップの店員の方に、聴いたこともないような摩訶不思議なレコードを紹介&推薦され、今となればそんな音楽との出会いが我が人生を変えた。
デジタルは音楽をいとも簡単に「消去」してしまえるところもなんだか淋しい。
もちろん大切な音楽は永遠に心から消去することはできないけれど。


本日は東京に戻り、友人のレコーディングにお呼ばれし、ギターを弾いてきた。
ん?
ひょっとして今年ギターを弾いたのは初めてかも???
なんて言ったら全く不真面目なギタリスト!と思われてしまうけれど、
これからまたイヤと言うほど一緒にいるのですから。
イヤと思ったことは一度もないけどね。
もうすぐギターと出会って33年目を迎えますけど。


厳しい寒さの中にも、春のつぼみが目覚め始めています。

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どうぞ皆様、御自愛のほど。
 
2009年1月25日

* 約束

ルーリーとの約束を果たしにBEACHへ。

冬の太陽。

波を銀河のように輝かせ、海鳥は風を纏って無重力飛行。

フリスビーを追うルーリーは野性のシルエット。

どうやら犬にも筋肉痛?

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撮影&インタビュー。

久しぶりのハイドパークや、懐かしのLedbury Road、メトロポリス ...。

過ぎ去った日々の影を追うかのように、記憶を辿る旅。

さらばロンドン。

さらば我が青春の光。


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昨夜はBOφWYのベルリン・レコーディングからのお付き合いで、20年前の初のソロアルバム「GUITARHYTHM」からロンドン滞在の際、音楽的にも精神的にも支えてくれた大切な友人である、クマ原田さんとディナー。
会った当時は腰まであった長髪も、今はバッサリ切られ、すっかり英国紳士の佇まい。
最近では日英のサッカー留学のサポートや、ロンドン・シンフォニー・オーケストラと共同して、音楽を通じたコミュニケーション能力の健全な発育を支援するインターナショナル・ミュージック・ワークショップを設立し、積極的に教育にも取り組んでいる。
おのずと話は教育問題へ。
日英の教育システムの違い、英国流教育の素晴らしさ、教育の行方...
などと書くと、険しい顔で語り合ってる姿を連想されそうだが、クマさんはとても話し上手で終止笑顔は絶えず、クマさん独特の「ハッハッハ!」と水戸黄門のような笑い声がレストランに響く。
話を伺って、やはり世界中の人種や文化とふれあいながら、多くの体験を通じて得るグローバルな感覚は、何ものにも代え難いものだと再確認した。
いつかは英国に移住したい、と思う。
その時、クマさんはきっと暖かく迎えてくれるだろう。

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CNNでオバマ大統領の就任式を観た。
歴史が変わる瞬間を多くの人が見守った。
世界が少しでも輝きを取り戻す為に、この人は今ここにいる。
厳しい選択が目の前に山積みのスタートではあるが「彼なら何かを変えられる」と
世界は彼に期待している。

話は変わって、今日はルーリーの誕生日。
日本に居たら誕生祝いで『バースデー・スペシャル散歩(2時間コース、特大おやつ含む)』をプレゼントしてあげたかった。

帰ったら海に行こうね。ルーリー。

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今日は4時起きではなく、3時起きだった。
本を読んだり、CNNを観たりして、どうにか時間をつぶし、ジムで走って来た。

昨日はロンドン在住のフォトグラファー、michiさんにランチのお誘いを受けた。
もらった住所をドライバーに告げ、着いた場所はミッチャンの言った
「ポールスミスのショップの前」とは違い、『?』と思ったが、この道はいつか来た道。
テクテク歩いていくと、記憶と目の前の景色が一瞬にしてシンクロ。
ギタリズム4の時に暮らしたアパートに続く道だった。
その部屋は名女優エマ・トンプソンの持ち物で、隣には人気絶頂期の歌手、SEALが住んでいて、よくテレビゲームをしたりして遊んだものだ。
住所を間違えて降りてしまったのも、またひとつの偶然ながら、こうして思いもよらず昔住んだ場所に出くわすなんて!
アパートの前にしばし立ち止まり、過ぎ去りし良き日の想い出に心を馳せてパチリ。

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ポールスミスでドーベルマンを2匹買い(?)彼女の部屋のベルを鳴らす。

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彼女とは写真家ミック・ロックの東京での展覧会以来の再会。
手作りの美味しいオーガニック料理をいただきながら、話に花が咲く。
ENOやCANのメンバーとも交流のあった彼女。かまやつさんやアラン・メリル氏など、日本のロック創世記の面々とも親しい、心穏やかな表現者。
懐かしい友人の話や、今後の世界の動向、日本人のメンタリティーについてなど、会話は止まることがない。
「ずっとKeep in touchしようね!」
世界のあちこちの街に、こうしていつ逢っても心通う友人がいることは、とても幸せだ。

通りに出てタクシーに飛び乗りショッピングへ。
今年は無駄遣いをしないというのがテーマ(これ、世界的テーマ?)ながらも、旅先でお気に入りの洋服を探すのは昔からの楽しみ。
行きつけのショップに出かけると、「Oh!!!久しぶり!元気だったか?」と笑顔で迎えてくれる人がいるのも嬉しい。
円高の恩恵を拝受、なんてわけではないけど、確かに安い。
日本じゃ絶対売ってないし、売ってても買わないであろう派手なジャケット等を購入。
いつかステージで着るかもしれない。

夜はKevin Westenbergさんと話題のレストランhakkasanにてディナー。
ケヴィンとは先日東京で、スペインの友人ラファエル・アマルゴ氏の友人から紹介された。
現在、世界の3本の指に入るほどの売れっ子カメラマンで、世界中のミュージシャンからの信頼も厚い。
ほぼ同世代の我々は、プログレやアバンギャルドな現代音楽の話で意気投合し、ロンドンでも必ず逢おうと約束していた。
彼は身長が俺よりも高く、見上げて話す自分が不思議。
大きな恐竜の穏やかさを想像させる、アメリカ生まれの英国紳士。
日本が大好きな彼と、欧米と日本の違いや、日本の良さと不思議さ、そして今後のミュージック・ビジネスが向かうべき方向など、時間を忘れて語り合う。
とっても美味しくてヘルシーなネオ中華料理をごちそうになり、夜のロンドンを歩いてホテルへ。
途中、懐かしいギターショップが並んだストリートに入り、初めてロンドンに来たマネージャーに
「このギターショップで何度恋におちたことか!君の知ってるあのギターはここから連れて帰ったんだよ」
と説明をしながら、暗いショーウィンドウの中を見つめる。

コートの襟を立てて歩く夜のロンドン。

石畳を踏む靴音が、ビートに聞こえる。
昨日、遂にアルバムの最終作業が終わり、無事「ギタリズムV」が完成しました!

ロンドンでは毎朝時差で4時起きです。
こればかりは抵抗しても仕方ない、と諦めて昨日はライカをもって朝のウォーキング。
まだ誰もいないコベントガーデンへ。
光のある方へと誘われて小径を行き、普段は滅多に行かないテムズ川沿いの公園へ。

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カメラを持つと、風景に誘われて、勝手に足が動くもの。
途中、遠い記憶に繋がる風景に出会う。
記憶をたどると、そこは20数年前、初めてBOφWYでロンドンを訪れた際、ハービー山口さんと一緒にメンバー一同バンに乗り、ロケハンしながらアー写を撮影していた際、ハービーの一声で降り立った地下鉄駅前の歩道橋だった。
20代初めの自分は、この場所で何を思ったのだろう。
20余年通いながら一度も聞いたことのなかったビッグベンの時を告げる鐘の音を聞く。
テムズからの風に吹かれ空を舞う鳥達の翼に乗って、心が瞬間ワープしました。

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観覧車下ではこんなシュールな光景も。
中に人が入っていて、通りすがりの人々に小さく手を降り驚かせます。

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そして懐かしのメトロポリス・スタジオへ。
マスタリング・エンジニアのイアン・クーパーとも気づけば長い付き合いです。
全カタログ、リマスターの機会を得て、ソロになってからのすべてのアルバムをマスタリングしてもらったイアン。
言わば俺のすべてを知っているエンジニアです。
マスタリングという作業はとても重要。
レコーディングでこだわり抜いたひとつひとつの音を、いかにバランスよく、そしていかに活き活きと、マスターとして仕上げるか。最近ではEマスタリングといって、データだけを送って作業を委ねる方法もありますが、やはり立ち会って、細かいオーダーをしないと、作り手の主旨はなかなか伝わりません。
彼はまさに音のドクター。
この曲はピチカートを上げたい、とか、パーカッションをクリスピーに聞かせたいとか、歌は少し控えめにとかオーダーすると、まるで音が見えているかのように、瞬時に指先が反応し、EQポイントを探し当てます。
今回はサウンドクリエイター達の趣向が如実に現れ、今まで以上にバラエティに富んだ内容なだけに、彼のテクニックが問われますが、さすがイアン!見事な職人芸に脱帽です。
「ジェットコースターに乗っているようなアルバムだ」とイアン。
「GREAT!それが今回のコンセプトだよ!」と答えると
「ジェットコースターに乗るのは好きじゃない」と苦い顔をしてみせる。
英国流の褒め言葉だ。
英国と群馬のジョークは、挑発的なところがよく似ていると思う(笑)。
じっくり時間をかけて磨き上げたトラックたちは、どの曲もイメージ以上の仕上がり。
長かったレコーディングが、ギタリズムのスタートしたこのロンドンで、フィニッシュしました。

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NHKサウンドストリートで「GV」の数曲を聴いてくれた方々から、嬉しい反応がロンドンまで届きました!
ジャケット写真もインパクト強いでしょう?
グラマラスでアバンギャルドなフューチャー・ロック。
リリースまであと一ヶ月です。
2009年1月18日

* From LONDON

ところ変わってアイム・イン・ロンドン。

日本が誇るF-1ドライバー佐藤琢磨くんとの久しぶりの再会はVIRGIN ATLANTIC航空のラウンジでの出来事。
つくづく旅は面白いと思う。
琢磨くんに会おうと思ってモナコのレース場に行ったって、会える確率はゼロに等しく、
ラウンジでブログをアップしようとしていたら、突然となりに現れるのだから!
世界を股にかけ活躍する琢磨くん。いつもキビキビとシャープで頼もしい人です。
機内の座席につくと、懐かしいスチュワーデスさんがご挨拶にきてくださる。
VIRGIN航空がデビューした時の衝撃は今でも忘れられない。
ロキシーミュージックが離陸時のBGMにかかる航空会社なんて今までなかった!
スチュワーデス(キャビンアテンダント?)さんたちも滅茶苦茶ファンキー。
お客様用のスナックをつまみ食いしながら歩いている。
まさに「ロックンロール航空会社!」。
日本の航空会社でこんなことしたら、クレームの嵐でしょうね。
VIRGINグループの代表であるリチャード・ブランソン氏と対談したことがある。
しかも俺の部屋に招いて!
一人暮らしをしていたその部屋は、英国で買い集めたゴシック時代のアンティークなインテリアでコーディネートされた、通称「ドラキュラの館」。
インテリア・デザイナーに、「ドラキュラ伯爵が棲んでいるような部屋に住みたい!」と無理をいい、全面にあった窓をすべてつぶして壁紙を貼り、「ベッドも棺のように上蓋をつけたい」と言ったが、さすがにそれはやめてくれ、と言われたのを覚えている。
リチャードが語った、彼の夢が叶うまでの挑戦という名の冒険物語は、ロビンソン・クルーソーの物語のように、俺の心を少年に戻してくれたのを今でも忘れない。

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そんな思い出のVIRGINに乗って、久しぶりの渡英である。
「ギタリズムV」のレコーディング最終作業である、マスタリングを行う為にやってきた。
ヒースロー空港に到着するなり。「ただいまー!」と叫んでしまいたくなるほど、ロンドンは自分にとって、やはり第二の故郷。
アビーロードにある自分のフラットは、英国の友人に貸しているため、今回はホテルに滞在する。
大好きな街、コベントガーデンにある、キュートなホテルだ。

短い滞在ながら、ロンドンの様子をまたブログでお伝えしますね。

ライカを片手にロンドンを歩くのは初めて。
懐かしい風景の中、どんな自分と出会えるのだろう。

「LONDON BLUE」を口ずさみながら。

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2009年1月17日

* PEOPLE IN THE PARK


朝の公園には様々な人がいる。

足早に行く通勤、通学途中の人。
落ち葉の季節は忙しい、清掃員の方々。
イヤフォンをつけてジョギング、ウォーキング、早朝テニスを楽しむ人。
太極拳、ヨーガ、ベリーダンス、ワークアウトなどの、早朝サークル。
大小様々な種類の犬と散歩する人、などなどなど...。

そんな朝の公園には微笑ましい出来事や、ドキッとさせられる出来事がたくさん。

いつものコーヒーショップで買ったカプチーノを飲みながら、いつものベンチに座っていると、様々な光景と出会える。

小さな赤ちゃんを乗せたバギーを押す若いママさん。
スッとバギーを止め、首をくるくると回し始めた。
朝陽を浴びて、新鮮な空気を吸ってのストレッチほど心地よいものはない。
次は肩を回してほぐし始めた。
両手を組んで、高く突き上げ、背伸びをする。
とっても気持ち良さそうだ。
見ている自分もつられて、首を回したり、肩を回したり、アキレス腱をのばしたり、屈伸したり。
ママさんは腿上げを始めた。バギーの取っ手をバレエのバーのように使って、軽快に腿を左右交互に上下する。
そしていきなり、足を後ろに向けて蹴上げりだした。
初めは軽く、徐々に高く、そしてもっと高く、ついには自分の頭より高く!
前にじゃないよ。後ろにだよ!
ミキティや真央ちゃんのやる、あれです。
ママさん、ただ者じゃない。
さすがにつられて出来ることではなく、「ルーリー、行くぞ」とつぶやいてベンチを立った俺でした。

向こうから小さな犬を連れた人が来た、と思ったら、リードに繋がれているのはウサギだった。
ルーリーは怪訝な顔つきで俺を見上げる。
「いまの何?犬?猫?」
ウサギならまだ可愛い。
以前、交差点向こうに、女性がリードを握るその先に奇妙なシルエットをみた。
「あれ、なに?犬?」と娘。
「ずいぶん太った犬だね」
信号が変わり、近づいてくると、それは豚だった。
ピンクの豚。
「いまの、ブタさん?」
「そうブタさん」
その後、しばし、会話は途絶えた。

犬をリードから放している人が多い。
特に週末の公園。
ルール違反である。
キャンキャンっと吠えながら、駆け寄ってくるチビ犬くんたち。
まだまだ子供のルーリーも遊びたくてグッと前に進む。
すると飼い主が言う。
「まぁー、恐い恐い!ナントカちゃんっ!危ないから逃げなさい」
は?
娘と一緒に散歩している時、公園内のスピーカーから
「公園をご利用の皆様にお願いします。犬は必ずリードに繋いでください」とのアナウンス。
聞こえないはずがないのに、まったく気にせず、放し飼いの人たち。
「聞こえないのかなぁ?」
またルーリーを挑発するチビ助たち。
「ルーリーも放しちゃえば?」
ちょっと悔しそうな娘。
「ダメダメ。お年寄りや小さな子供にルーリーがキスしたら、皆ビックリしちゃうからね。パパが皆さんにお願いするよ」
と、飼い主さんたちに「公園内はリードに繋ぐお約束ですよぉ」と言うと
「まぁ、ドーベルマンを連れた恐い親子だこと」
とばかりの表情で、くるりと向きを変え、その場を去るのである...。

と、まだまだ公園話は続くのだが、そろそろ時間が来た。

おっと、佐藤琢磨くんにバッタリ!ビックリ!

お話の続きはまた明日???

いつもと違う公園から。


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2009年1月15日

* 冬の東京、心の風景

成田に到着し、携帯のメールをチェックすると、
大切なスタッフの父上の訃報。
冬の澄んだ空を真っすぐ昇られることを祈るのみ。
無力な自分に腹が立ちます。

時差で早起きが続く。
ルーリーを連れていつもの公園へ。
霜が降りていた。
思わず近づいてじっくり眺めてしまった。

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群馬の冬は厳しく、山々から吹き下ろす冷たい風に吹かれて、
手袋をはめ、鼻水をすすりながら、田舎道を通った幼少時代。
田んぼには氷が張りつめて、スケートリンクと化していた。
霜をサクサクと踏む冬の靴。
空気をハッと吸い込むと、肺の中がキュンと冷たくなる。
東京のど真ん中、眩しい冬の光の中で遠い昔の記憶が蘇る。
いくつもの季節が巡り、太陽や月、水や風の中に、過ぎ去りし日々は眠っている。

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打ち合わせ、ラジオ収録、インタビュー、ヘアカット、パーティーetc...etc...。
多忙な日々が始まった。
大好きなことを仕事にできた幸運を噛み締めながら、丁寧に取り組んでいきたい。

トランジット長いね、と友人からのメール。
失礼しましたっ(笑)。
東京に戻ると、たった30分の時間を作ることが難しくなる。
流れる時間は世界共通なのにね。
2009年1月12日

* トランジット中

強い雨の島を出て、機内清掃のため、ラウンジにてトランジット中。
最近は空港もネットのエアーもしっかり飛んで便利になった。
こうしてブログもアップできる。
東京はかなり寒いとのこと。
常夏から真冬へ。
体調を崩さぬよう気つけねば。
早朝RUNは気合いが必要?


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2009年1月11日

* MORNING MUSIC

ロック・ミュージックとの出会いに多大な影響を与えてくれたのが
群馬の新島学園時代の3期先輩、小林径氏だ。
彼の先鋭な感覚を通じて、数々のアーチストを知った。
「これを聴いてごらんよ」
と薦めてくれるのは、どれも風変わりで奇妙なものばかり。
かくして俺は中学生にしてROXY MUSICや10CC、
ブリジット・フォンテーヌやセルジュ・ゲインズブール、
ノイだのカンだのタンジェリン・ドリームだの、
同級生とは到底話の接点を持てぬ趣味趣向を身につけてしまい、
そのままひねくれたままの感覚を持って、音楽を聴いている。(径さん、ありがとう)
ビートルズもストーンズも、J-POPもインド歌謡も、民謡もハワイアンも、
決して直接的ではなく、どこか屈折した、ねじ曲がった聴覚を通じて、
ウキウキワクワク、ドキドキハラハラ、往々にして冷めた気分で聴いている。
音楽を作る時も、そんな感じだ。
アバンギャルドな気分でいたずらをしている。
思えば長年にかけてかなりマニアックにアナログを、 CDを収集してきた。
その数は、数えたくもないくらい。
今年はそのすべてを破棄してしまおうか、と考えている。
塵のようにとは言いたくないが、生きていると色々なものが蓄積されていく。
思い出もしかり。
音楽も思い出も、その人にとってかけがえのない財産であることに間違いはないが、
どちらも形のないものだ。
実際、自分の聴きたい音楽は自分の中にあり、いちいち古い棚からレコードを引っ張りださなくても
記憶のジュークボックスは、いつでもあのイントロを奏でてくれる。
思い出は目を閉じれば見えるもの。
無数の笑顔と涙が、まぶたの裏のスクリーンに止めどもなく映し出され、
胸を締め付け、満たしてくれる。

今日の楽園のウォーキングBGMは『Alpha/The Impossible Thrill』
目で波の音を聴いている。

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HAVE A NICE DAY








夜明けとともにi-podを持って走る。
遠い一本道をただ朝陽に向かって走る。
サーフボードを積んだピックアップ・バンが追い越してゆく。
異国人のランナーとすれ違い際に微笑みを交わす。
汗は風にさらわれて、背中を滴ることはない。
どの曲も心拍数にシンクロして、足取りを軽くする。
走る為にここに来た。
朝陽はあっという間に、風景を輝かせる。
空が、雲が、風が、大きく深呼吸するかのように膨らんで
小鳥たちがさえずり、木々の緑がフワッと開く。
遠くから朝の海辺の音が聞こえる。
熱いシャワーを浴びて、鏡の自分に言い聞かせる。
最良の一日を。
朝食の支度でもしようか。
彼女たちが起きる前に。


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2009年1月 6日

* さよなら

新年のブログを書いたその夜、
とてもお世話になった友人が天国に召されました。
彼女は麻布のイタリアンレストランの看板ママさん。
笑顔の素敵なとってもチャーミングな人でした。
腕利きのシェフとの二人三脚、そして素晴らしいスタッフに囲まれて、
毎夜集まる各界の個性的な客人たちを華やかにもてなし、
にこやかで艶やかな至福の時間を我々に与えてくれました。
長い闘病の間もフロアに立ち、時には痛々しくもあったけど、
その姿は「生きる意思」に溢れ、感動的でありました。
数年前にTAKUYAくんに紹介してもらってから、何度通ったことでしょう?
週に何度も行く時もあるくらい、大好きな、大切なレストランです。

昨年末、娘がどうしてもそのレストランに行きたいと言い電話してみると
お店の方が「今ちょうど布袋さんに御連絡しようとしていたところなんです」と沈んだ声。
クリスマスあたりに病状が悪化し、緊急入院されたと聞き、早速お見舞いに伺いました。
美樹ちゃんの「GOOD BYE YESTERDAY」と「PRIDE」を大好きでいてくれた彼女。
我々が病室に入り声をかけると、驚きと、喜びと、悲しみが一度に表情に表れ、
声も出せずただ頬を震わせ、心で訴えるかのようなそのまなざしに、胸が張り裂けそうになりました。

新しい年が来ると、すべてが更新されるような気分になります。
実際、新たな目標を立てて、新たな気持ちで歩みだすチャンスの時でもあります。
が、太古の昔から、時は変わらず、一瞬を重ねてゆくだけ。
楽しい思い出だけが人生を彩るわけではなく、
苦かったり、辛かったり、暗かったり、虚しかったり、情けなかったり、寂しかったり...。
人生は光と影。
どちらも抱きしめなくてはなりません。

さよなら。ママさん。
天国でも変わらぬ笑顔の人でいてくださいね。

別の海から、オリオン座を見上げています。

月も随分ふっくらしてきました。

BRIAN ENOのAPOLLOを聴きながら、別れ酒を飲んでいます。

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2009年1月 2日

* A HAPPY NEW YEAR

太陽と空と海と月と星に囲まれて

静かな時を過ごしています。

細くて赤い月に寄り添うような金星。

オリオン座を初めとする冬の星座が天空に咲き、音楽を奏でます。

さて、今年は2月に『ギタリズムV』がリリースされ、

新作を引っさげてのツアーが待っています。

心と身体を引き締めて精進します。

今年のテーマは『走る』

自分を追い込んでみようと思います。

2009年もたくさんの思い出を皆さんと共に。

今年もよろしく御願いします。

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