無事に辰吉の復帰を賭けた一戦が、最良の形で終わり、ホッと一息。
試合当日、スタジアムへの移動の車中。
「楽しみにしとけ。判ってるな。」
と、トーンを抑えて携帯の向こうのルミちゃんに語りかける辰吉。
映画のワンシーンのようだった。
いや、どんな映画もあのシーンを超える事はできないと思う。
控室には盟友ウィラポンも激励に現れ、
お互いの人生の運命を変えた二人の再会シーンは
まるで「明日のジョー」の一コマのようだった。
試合が始まると場内は割れんばかりの辰吉コール。
我慢する理由などなく、俺もそのコールに加わる。
応援団の気持ちが一つになる。
2ラウンドで決着がつき、気づけば喉がガラガラに枯れていた。
10ラウンド叫んだら声が出なくなるよな。
ふと、2時間半もの間、布袋コールを送り続けてくれるファンの皆が、たまらなく愛しく感じた。
試合後の控室では辰吉を何台ものカメラが囲み、休む間もなくインタビューが始まる。
大鵬健文会長が叫ぶ。
「ジョーちゃん!試合は終わった!早く帰ろうぜー!」
試合後のボクサーは眠らない。
身体の修復活動が急激に始まると、相当の負担がかかるらしい。
文字通り命賭けの世界。
ダメージも少なく、試合の緊張も徐々にほぐれ、いつもの雄弁な辰吉に戻った。
結果はやるまで判らないものだけに、周囲の人たちの安堵感もひとしおだ。
さて、バンコクは初めてだったのだが、一発で好きになってしまった。
それはなによりタイが「微笑みの国」と呼ばれるように、
どこに行っても眩いばかりの微笑みと出会えるからだ。
今回はタイ在住の木元洋くんという、最高に気持ちのいい男が、常に我々と行動を共にしてくれたのだが、
情勢も不安定だし、貧富の差も激しく、どことなく暗いイメージを抱かれがちであるが、
彼はこの国の微笑みをこよなく愛し、尊敬し、力強く我々に伝えてくれた。
彼がいなかったら、バンコクの印象も随分違っていたかもしれない。
ホテルのスパに毎朝通ったのだが、東京で「ゴッドハンド」級の神業に触れているだけにどこか物足りない。
早野さんの極痛セラピーに慣れてしまって、痛みが足りない!と思ってしまうのは、ちょっとヤバいかも。
そして今回の滞在はまさしくタイ料理三昧。
もともとタイ料理は大好きで、東京でもよくでかけるのだが、(友人のえのさんの店、お薦めです)
最終日は木元君の経営する「MY SPA」というスパで最高のマッサージを受け、
同じビルにあるタイスキ屋さんでタイスキ初体験。
そのレストランは偶然にも、行きの飛行機でスチュワーデスさん(客室乗務員さん?)に伺ったお薦めの店であったのには驚き。
辛さに慣れてしまうと、どんどんエスカレートしてしまいそうで危ないね。
今回はまた、辰吉のセコンドの内野さんや戎岡彰くん、そしてキックボクサーの立嶋篤史くんなど
個性的としか言いようのない仲間たちとの時間は、涙あり笑いありの劇画空間。(笑)
本当に刺激的でした。
最後はBanyan Tree Hotelの天空のバーで勝利の美酒と葉巻を。
至福のひとときをありがとう!辰吉!!!
そしてこの歴史的な一戦に関わった全ての関係者の皆様。
お疲れさまでした!!!
皆様の並々ならぬチャレンジ精神に敬服いたしました。
最高の辰吉ファンの皆さんにも敬意を表します。
そして日本から辰吉にエールを送ってくれた布袋ファンのみんな。
Thank You !!!!!!!
明日からまたレコーディング再開です。